David Matsumoto 先生には、CREO にたびたび登場いただき、異文化間コミュニケーション、日本人の国際適応、アメリカの柔道と全米柔道ジュニア選手権大会、アメリカ人の考え方など、さまざまな話題を深めていただきました。
 今回、「アメリカの大学経営で重視高まるもうひとつの資源」に焦点を当てていただきました。技術立国、知識革新立国を目指すべき日本にとっては、知的資産の育成と保護はきわめて重要です。アメリカの大学の運営と産業との関係など、諸条件の基本を整理しておく必要性を感じます。
 CREO Archives には、Matsumoto 先生の1997年の論考を再掲載させていただくことにしました。10年以上前のものですが、今日でも再考すべき点がたくさんあります。
 プロフィールでも紹介しましたが、先生は、社会心理学の研究と柔道での研鑽を両立させ、ともにトップクラスの業績を挙げている、ほんとうの意味での「文武両道」の人です。
 社会心理学では最先端の研究を進め、数々の著書や200点以上もある論文はすべてオリジナリティにあふれています。
 柔道では、全米柔道ナショナル・チーム強化委員長(全米柔道連盟七段)、国際柔道連盟オフィシャル・リサーチャーなどとして、世界の柔道の発展に情熱をつくしてきました。サンフランシスコに設立した East Bay 柔道場では、館長として、体育・徳育・知育の「講道館柔道」をアメリカ合衆国の成人と青少年に伝えています。
 余談をひとつ申し上げます。2008年の北京オリンピック大会の女子柔道48kg級の試合を覚えている方もおられるかもしれません。日本の谷亮子選手と対戦した全米代表の Sayaka Matsumoto こそ、ほかでもない先生の長女です。尊敬する「柔ちゃん」と堂々と闘い、現在は、先生とともに East Bay 柔道場で後進の指導に当たっています。
 皆様の建設的な感想とご意見を頂戴できれば幸いです。

澤田峰男




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