出会いの風景

いつのことだろう。立ち止まることをおぼえたのは。
もしも時間をさかのぼることができたなら、
幼い自分に出会って、言ってやりたい。
己を信じて、進めばいい!
なんて答えるだろう? 少年の私は。
意地悪っぽく笑うだろうか。
持っていても気づかない宝物がいっぱいある。
澄んだ瞳と疑うことを知らない心。
無心になれる集中力と、その一瞬を真剣に生きる強かさ…。
何処にしまい込んだか。
春を待たずとも、もう一度出してきたって文句は言うまい。だろう?
文:岡田裕見子