● リーダーシップ理論の支え
経験豊かな経営者の発言に影響され、なおかつリーダーシップの理論の支えのある場合もある。わかりやすい例でいうと、リーダーとして十分な情報をもっていると、メンバーが7人いて全員がハイレベルであっても、リーダーのあなたのほうが一歩抜きん出ているということがある。
このような場合の問題解決としては、一人ひとりの意見を聞いていちばんいい意見を選ぶとか、みんなで選んで納得してそれをやるとか、いくつか書いていって、時間的に切迫していれば、正解はズバッと一人で決めるのが正しいと決まっている。
時間の制約があることは知っていて、みんなのレベル高いけど、あなたを慕っている。そういう四つのセルごとに10問ずつ正解がある問いをつくると、クイズなので点数が出る。だからイメージリーダーとしてはあなたは9点だけど、ドリルリーダーのところは3点しかわかっていない。このリーダーシップ・クイズの開発は、神戸大学の同僚、高橋潔さん ※1)が目下推進している。やがて、公開できる日をお楽しみに。
正解があるものなので、正解していない人間には、背後の理論を全部説明できる。強い仮定として、正解しても行動できない人がいるかもしれないということがあるけれども、大量に観察すれば、正しいことを知っている人の方が正しい行動ができるだろう。
Knowing doing gap(知っていることと行うことにはズレがあるという知識と実践の乖離)があるとしても、知っている人のほうがまったく知らないよりも正しい行動をとるほうが多い。まずリーダーシップについてわかっていれば、正しい行動をとるためには有利だ。正解のあるクイズでリーダーシップを捉えようとするのがむずかしいのは、見慣れてないからだ。
高橋潔さん▼
神戸大学大学院経営学研究科教授、Ph.D.(ミネソタ大学)。
専攻 産業心理学、組織行動論 。
1984年慶應義塾大学文学部卒業、1996年ミネソタ大学経営大学院博士課程修了。
南山大学経営学部助教授、神戸大学経営学研究科助教授などを経て、2006年より現職。
●主な著書
『産業・組織心理学ハンドブック』丸善, 2009年(産業・組織心理学会編)
『経営組織心理学』ナカニシヤ出版, 2008年(若林満他と共著)
『働きがいのある職場づくり事例集』日本経団連出版, 2008年(日本経団連編)
『あなたが職場で嫌われる理由』プレジデント社,2008年(内藤誼人他と共著)
『CSR 働く意味を問う』日本経済新聞社,2007年(日経CSRプロジェクト編)
『よくわかる産業・組織心理学』ミネルヴァ書房,2007年(山口裕幸他と共著)
『組織行動の考え方』東洋経済新報社,2004年(金井壽宏と共著)
『会社の元気は人事がつくる』日本経団連出版,2002年(金井壽宏他と共著)
など
高橋先生には、この論考の中のご自身の研究部分についてご高閲を賜りました。有難うございました。
専攻 産業心理学、組織行動論 。
1984年慶應義塾大学文学部卒業、1996年ミネソタ大学経営大学院博士課程修了。
南山大学経営学部助教授、神戸大学経営学研究科助教授などを経て、2006年より現職。
●主な著書
『産業・組織心理学ハンドブック』丸善, 2009年(産業・組織心理学会編)
『経営組織心理学』ナカニシヤ出版, 2008年(若林満他と共著)
『働きがいのある職場づくり事例集』日本経団連出版, 2008年(日本経団連編)
『あなたが職場で嫌われる理由』プレジデント社,2008年(内藤誼人他と共著)
『CSR 働く意味を問う』日本経済新聞社,2007年(日経CSRプロジェクト編)
『よくわかる産業・組織心理学』ミネルヴァ書房,2007年(山口裕幸他と共著)
『組織行動の考え方』東洋経済新報社,2004年(金井壽宏と共著)
『会社の元気は人事がつくる』日本経団連出版,2002年(金井壽宏他と共著)
など
高橋先生には、この論考の中のご自身の研究部分についてご高閲を賜りました。有難うございました。
