●教育学の研究と企業内教育

 さて話をもどすと、には、教育学の先生方にもかなり登場していただいた。今回の市川伸一先生の「学習動機の二要因モデル」は、学校はもちろん企業内教育でも活用される別格のモデルである。
 幸いなことに、最近教育学の教育学科などで、大人になってから学ぶ成人教育の学習が始まり、おかげで企業内教育(研修)にも関心をもつ方々も徐々に増えてきた。 ちなみに、(2008, No.1)にも、「教育学者が覗いた企業人材育成」(東京大学・中原 淳先生)の論考や、「生涯学習時代の成人教育」(京都大学・渡邊洋子先生)と筆者との対談などを掲載している。
 この交流の路線がますます充実することを願っている。
 今回、改めて市川伸一先生の「二要因モデル」を「原風景」として再見させていただいた。先生に厚く御礼を申し上げたい。

(インタビュー:冨田 徹)
(担当:三木敦雄)



profile
金井先生
金井 壽宏(かない・としひろ)
神戸大学大学院経営学研究科教授、Ph.D.(マサチューセッツ工科大学)、神戸大学博士(経営学)。
専攻 経営管理・経営行動科学。
1978年京都大学教育学部卒業、神戸大学経営学部助教授を経て、1994年同教授。1999年より現職。
主な著書
『危機の時代の「やる気」学』ソフトバンクリエイティブ、2009年
『働くみんなのモチベーション論』NTT出版、2006年
『リーダーシップ入門』日経文庫、2005年
『キャリア・デザイン・ガイド』白桃書房、2003年
『働くひとのためのキャリア・デザイン』PHP研究所、2002年
『仕事で「一皮むける」』光文社新書、2002年
『会社の元気は人事がつくる』日本経団連出版,2002年(高橋潔他と共著)
『中年力マネジメント―働き方ニューステップ』創元社、1999年
『創造するミドル』有斐閣、1994年(沼上幹、米倉誠一郎と共著)
『ニューウエーブ・マネジメント』創元社、1993年
主な訳書
『人を助けるとはどういうことか 本当の「協力関係」をつくる7つの原則』監訳、英治出版、2009年
『ワーク・モティベーション』監訳、NTT出版、2009年
『キャリア・アンカー』訳書、白桃書房、2003年
など