講師コラム
“見える化”からはじまる業務改善(講師 黒河良江)2022/07/06
~KBP講師が人事担当者様・ビジネスパーソンの方々へ役立つヒントをお伝えします~
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新たな職場に移ったタイミングや新たな業務を引き継いだ際にこんなことを言われたことはないですか?
「何か気が付いたことがあれば提案してほしい」
「やり方は変えてもらっていいよ」
「新しい目線で見てみて」
これは“改善してほしい”というメッセージです。
私も新たな職場、業務と出会う度に言われてきました。
なぜ、そのタイミングで言われるのかというと、第三者目線を持っているからです。
人はよくも悪くも慣れる生き物なので、最初は不便に感じたことでも、その不便さに慣れていってしまいます。
慣れてしまうと、「そういうもの」と割り切ってしまい疑問を持つことが難しくなります。
では、新たな人が職場に入ってこない限り、業務改善のヒントは得られないのでしょうか?
いいえ、そんなことはありません。
ご自身でも第三者目線を持って業務と向き合うことはできます。
そのヒントとなるのが業務を“見える化”することです。
頭の中だけに業務の情報があるときは業務の捉え方がどうしても感覚的になりがちです。
しかし、“見える化”をすることで、数値、言語、図解などの情報を元に客観的に向き合うことが出来るのです。
見える化する作業は面倒になるかもしれませんが、「ここが改善ポイントだ」と自信を持った判断ができますし、周囲への説明根拠ともなるのでオススメしています。
また、見える化された情報を捉える際にはゼロベース思考で向き合うこと、を心掛けてみましょう。
「これは前の人が改善しようとしたけど、できなかったらしい…」「ここは私の職掌範囲を超えてしまうかも…」など、過去や制約にとらわれてしまうと客観的な思考から遠ざかってしまいますし、何より前向きな気持ちになれません。
生産性向上を掲げて行われるために堅苦しく感じてしまう業務改善ですが、実は、私たちが抱えている「不便さ」や「作業ストレス」を解消してくれる味方でもあります。
ここで一つ私のエピソードを紹介します。
以前、お客様相談室で相談員をしていたときのことです。
自社の取り扱い製品に対する問い合わせ対応が主な業務内容でした。
PCには製品情報が集約されているシステムが導入されているのですが、システムに登録できる情報種に限りがあり、個人に蓄積された知識を基に回答する場面も多くありました。
そのため、配属間もない頃は答えられないことばかりです。
電話に出るたびに保留をし、手の空いている先輩に答えを尋ねなければなりませんでした。
相談室全体の生産性も低下していました。
そこで、製品情報マニュアルを作成することにしました。
情報収集や情報整理から始まり、マニュアルのデザイン作成、情報の正誤確認、システムへの情報掲載…と、大変な手間がかかりましたが、新人にとって大きな武器となりました。
また、育成にかける時間を減らすことができ、相談室の生産性にも貢献することができたのです。
この業務改善も、はじめは業務の“見える化”からスタートしています。
皆さんも業務を“見える化”して、『不便さ』や『作業ストレス』を紐解くヒントを見つけてみませんか?
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事務職のための業務改善~改善ポイントの発見~
研修日程等詳細はコチラ↓↓↓
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