講師コラム
「感覚」と「数値化」~感覚を体得するための切り口~(講師 不別浩三)2023/01/05
~KBP講師が人事担当者様・ビジネスパーソンの方々へ役立つヒントをお伝えします~
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製造現場からKBP機械研修の講師として、採用して頂き10年が経過しました。
改めて、人に物事を伝えることの難しさを日々感じています。
自分が分からない時、専門分野の方へ尋ねると、簡単だと言われることがしばしばあります。
自分にとっては、専門知識や経験が乏しく、結果的に本質を理解出来ていないと痛感します。
どのように理解するかは、知見がある方に丁寧に教わることや、自身で学習し体得することが重要だと認識しています。
色々な研修の中で、テキスト通りの内容をしっかり伝える場合と、いわゆる「感覚的」な指導をする場合があります。
「感覚的」に物事を伝えようとする時、手順書の内容を吟味し分かりやすく説明したり、また、具体的な表現を交えながら指導していますが、本当に受講者が理解されているか不安も若干残ります。
昔の製造現場では、ベテラン作業員の背中を見て、自分なりに理解し体を動かしながら覚えた経験があります。
確かに時間は掛かりますが、体得した事柄はしっかり身についており忘れることはありません。
以前参加させて頂いた外部研修「研磨の技能伝承」では、ベテラン作業員個人の感覚的な動きをデータ化する目的で、作業員自身にセンサーを取り付け、データ採取し、「数値化」していることに関して驚きました。
定量的な管理をする中で重要な要素を「数値化」し、誰でも同じ作業を同一化させることを狙った研修だと理解しました。定性的な表現に比べ数値を用いることで、管理しやすい面もあります
例えば、ボルト締め付けではトルクレンチで締結力を測定し、実際は手での感触を養うといった行動で体得させることは重要です。その意味を自分なりに理解し、研修資料も出来るだけ具体的な数値を用いて定量的な表現に改善しています。
一般に企業の経営資源は、「ヒト」「モノ」「カネ」といわれており、その中の「ヒト」をいかに一人前に育てるかが、我々に課された使命であり、更に、磨けば光る逸材に動機づけし、一人でも多くの優秀な人材を発掘することも大切な役割だと考えています。
いずれにせよ、基礎知識をしっかり身につけさせて、近い将来、現場で応用力が発揮出来る人材を各職場へ送り出すことが、しいては現場力向上につながると確信していますが、いかがでしょうか?
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★コラムと関連する研修紹介
□オペレータの設備点検法
異常発見に必要な基本知識を習得、簡易診断ができる
https://www.kobelco-hrd.com/coursedetailtech2022.php?22435
【日 時】2023年3月1日(水)~3日(金)
【会 場】加古川技術研修センター
□機械設備の保全
設備保全の必要性、基本的な点検方法を習得
https://www.kobelco-hrd.com/coursedetailtech2022.php?22427
【日 時】2023年3月7日(火)~8日(水)
【会 場】加古川技術研修センター
□機械組立応用技術
構造を理解、安全な取扱いと組み立て調整技術を習得
https://www.kobelco-hrd.com/coursedetailtech2022.php?22430
【日 時】2023年3月14日(火)~17日(金)
【会 場】加古川技術研修センター