講師コラム
シニアの戦力化 ~年上部下のマネジメント(講師 金井 一信)2023/09/06
~KBP講師が人事担当者様・ビジネスパーソンの方々へ役立つヒントをお伝えします~
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私は、新任管理職研修や新任部長職研修等を担当しています。最近、それらの研修で受講生が困っていることを聞くと「年上の部下のマネジメントはどうしたらいいか?」という内容が必ず出てきます。
神戸製鋼の停年が60歳から65歳に伸び、いくつかのグループ企業もここ数年同じように延長しています。
人材の流動化が進み、急成長の人気企業を除いては人手不足が問題になり、高齢者雇用を義務付ける法制度の後押しもあって、「70歳まで現役」が現実味を帯びてきました。しかし、それはシニアが「もっと働きたい」と希望しているというよりも、「年金が足りない」「労働力が足りない」からもっと働けと言われている気がします。
長い管理職生活を終え、何年かぶりに担当者となる環境変化は、本人も周囲も切り替えが大変なようです。
かつての上司が自分の部下になる時にどうマネジメントをしたらいいのかという悩みを抱えています。つまり遠慮があり、どんなコミュニケーションが望ましいか双方が模索している感じです。
また、定年延長したシニアがモチベーションの維持ができずに苦労をしているケースも多く聞きます。
処遇は賃金を3~4割低く、役職が外れる場合が一般的です。よほど社会貢献の気持ちが高まってないと、仕事への思い入れも浅くなってしまいがちなのでしょう。
このように就労者年齢が高まっていっている現在に、いかにしてシニアを戦力化するかと言うことは企業にとって大きなテーマになってきます。
これらはマネジメントの改善によって、すぐに解決できる問題ではなく、働くシニア世代が、どう自分たちの目標をコントロールし、やる気に結び付けるかという考え方が重要だと思います。そのためには自分が現役の時代から何が得意で、その知見を社会や会社にどのように活かしたいのかという目的をしっかりとイメージしておくことが必要です。
そのような考え方のシニアを創るためには、現役時代から一貫したキャリアデザインを行っておくことが効果的と考えます。社内での業務に留まらず、定年のもっと先まで活かせるキャリアをしっかりとイメージして、普段から磨き上げておくことです。
目先の課題に対して対応するばかりの職場ではそのような発想は生まれません。働く人が、今もそして将来に於いて、何をやってる時に一番自分がやりがいを感じるのか、どう役に立っているかということを見つけ出し、大切にするマネジメントが今必要になってきているのではないかと思います。
12月に開催する新任部長研修では、単に仕事を進めるための組織運営ではなく、職場の将来構想、そしてその先に待つ一人ひとりの従業員が目指すべきキャリア開発というものも考えられる、そういうきっかけを部長になった皆さんと一緒に考えて参りたいと思っています。
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★コラムと関連する研修紹介
新任部長研修 組織の構造を考える
研修日程等詳細はコチラ↓↓↓
https://www.kobelco-hrd.com/coursedetailbiz2023.php?23056