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講師コラム

2023年阪神優勝から考える「成果につながる」KPIマネジメントとは?(講師 濱尾 功二郎)2025/01/08

明確な未来を描きにくい中、多くの企業が「業績管理指標・業績評価指標(KPI)の導入」に取り組んでいます。
そのKPI活用によって、環境変化の中でも成果を出す組織にしたいという想いがあると感じます。
その中で、成果をあげている組織もあれば、そうでない組織も存在します。
その成果の差異は、「どこから生まれるのか?どう修正すればいいのか?」について、今回ポイントを1つとりあげます。

そのポイントは、「結果」の管理に偏りすぎているマネジメントから「プロセス」の管理を重視するマネジメントへ転換する
ということです。

例えば、2023年阪神タイガースが優勝しました。
「80勝」を最終目標(KGI)と設定し、次にKPIを「巨人に〇勝、広島に△勝、ヤクルトに□勝…」というKPI設定は、
最終目標の単なる分解に留まっている、つまり、結果管理になっているといえます。
この設定で、2023年戦っていたら、阪神は優勝できていたでしょうか?
この結果管理から「プロセス」を管理する方向に改善するとすればどうなるでしょう?

最終目標(KGI)を「80勝」とおき、次に試合に勝つということは、
失点を上回る得点をあげることであり、「得点力の向上」と「失点をおさえる」という分解が考えられます。
その当時の阪神は、投手陣は優秀なので、「得点力の向上」がより『キーとなる要素』と考えられます。
次に「得点力を向上」するために、「何の要素を強化する必要があるか」を深堀りします。
「塁に出る」「塁を進める」「ホームラン(4塁)をうつ」という要素が挙げられます。
この中で‟重要″な『キーとなる要素』は何かを考えます。
岡田監督は、開幕の前日に、球団に「フォアボール」の査定ポイントをあげるよう頼み、了解を得て、
前日のミーティングで選手にその旨を伝えたそうです。
つまり、「塁に出る」を‟重要″なキーと考え、フォアボール数(四球)をKPIと置いたといえます。
そのための「アクション」として、「ボール球に手を出さない」とおいたと考えられます。

結果は、どうだったでしょう。
「12球団最多494」という「四球」を活かして得点につなげていました。
個人成績では、セリーグ出塁率ランキングで大山、近本、中野、佐藤が10位以内となりました。
まさに「成果はよいプロセスから生まれた」といえる事例といえます。

みなさんの組織でも、
「結果管理になっていないか、プロセスを管理する方向に改善するとすればどうなるか?」
を検討し、成果を出す組織に変わるきっかけにしてみてはいかがでしょうか?