講師コラム
「経営シミュレーション研修」の効果とは(講師 今岡伸一)2021/12/01
~KBP講師が人事担当者様・ビジネスパーソンの方々へ役立つヒントをお伝えします~
───────────────────────────────────────
「どうしよう?」「困ったな?」「何これ?」・・・
いざ、行動しようとして、こんな不安な気持ちになったことはありませんか。初めてのことやこれまでとは異なることにチャレンジするときは、特にそうですね。
たとえば、新入社員は、希望と不安が入り混じる中、職場での新しいチャレンジを始めていきます。上司・先輩に教えてもらい、また、研修で学んだことを活用して取り組みますが、そこには、いろいろな失敗もあるはずです。失敗から学び、同じ失敗を繰り返さないようにして、経験を積みながらレベルアップを図ります。
新しく経営に関わる場合も、同じような状況でチャレンジすることになります。しかし、その責任は新入社員とは大きく異なり、容認される失敗も少ないのではないでしょうか。また、新入社員のように、すぐに先輩に教えてもらうわけにもいきません。いくら、経営に関する知識やスキルを習得していても、いきなり実務で実践するとなると不安があり、意思決定にはリスクが伴います。
たとえば、航空機のパイロットは、訓練のため、フライトシミュレーターを活用しています。座学で知識・スキルを身につけても、すぐにお客様を乗せて実践というわけにはいきません。シミュレーターでは、さまざまな状況を想定した飛行ルートにおいて、周囲の環境を確認し、また、計器に示された情報を読み取って、適切な判断を行い、模擬実践を行います。この「体験」を通じて操縦のスキルを向上させるとともに、感覚を身につけていき、そのことが、自信にもつながります。そして、実践デビューすることができます。
『経営シミュレーション研修』では、仮想の経営環境のもとで、経営判断を行います。提供される市場や競合に関する情報、自社の経営資源(ヒト・モノ・カネ)に関する情報などを分析し、販売や製造、投資や資金繰りなどに関する意思決定を行います。その結果、売上を確保し、利益を出していきます。ただ、単に利益を出せば良いのではなく、あらかじめ設定した自社の経営方針や目標にかなった成果を上げることが重要になります。
コンピュータを活用したシステムにより、意思決定の結果がリアルタイムで計算されますので、作成された財務数字をもとに経営状況を確認し、改善につなげていくことができます。研修では、成功もあるでしょうが、多くの失敗も経験することができます。失敗には、必ず、原因/要因がありますので、それらを分析することで、経営判断に必要な視点やポイントを体験できます。実践の場ではできない、「失敗から学ぶこと」が重要です。
こうした意思決定プロセスを複数回繰り返すことで、経営のセンス(勘所)を身につけられることが、シミュレーション研修の大きな効果だといえます。
--------------------------------
★コラムと関連する研修紹介
KOSMS ~シミュレーションで学ぶ競合戦略~
研修日程等詳細はコチラ↓↓↓
https://www.kobelco-hrd.com/coursedetailbiz2022.php?22036