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講師コラム

「つい感情的になってしまう」あなたへ(講師 岩谷 真弓)2023/03/01

■■■ KBP講師のお役立ちコラム(講師:月替)  ■■■
~KBP講師が人事担当者様・ビジネスパーソンの方々へ役立つヒントをお伝えします~
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 今回は「つい感情的になってしまう」方に向けてメッセージを綴ります。内容は、昨秋、神戸製鋼グループでご講演・研修を実施していただいたディビッド・マツモト博士の「エモーショナル・レギュレーション(感情調整)研修」に沿ってお話します。マツモト博士はサンフランシスコ州立大学心理学部の教授で、感情研究の世界的権威です。

 みなさんは普段、どのような状態で会社に来られるでしょうか?例えば、腰が痛くて辛い、家族とケンカして不機嫌である、昨日のゴルフのスコアが良くて上機嫌である、など。良いときと悪いときでは、ご自身の状態は全く異なるのではないでしょうか?

 自分の心理状態に影響するものの中でも、「変えられるもの」と「変えられないもの」があります。では、「感情」は「変えられるもの」でしょうか?感情は自然に生起するものであり、なくすことはできません。しかし、感情は自分でコントロールできるものです。逆に、自分が感情にコントロールされる(ただ反応する)のはもったいないことです。

 嫌な出来事に遭遇した際、起きたことへのリアクションとして感情的になることは悪いことではありません。「起きたことがあなたにとって重要」だから、感情的になるのです。感情的になって行動をとったことで後悔することもあるでしょう。大切なことは、何かが起こって感情的になった際、どうやって建設的に対応するかです。自分の感情を、もう少し上手にマネジメントできるようになることです。自分の「感情のスタイル」は変えることができます。

 繰り返しますが、感情的になることは自然なことです。悪いことではありません。感情の役割は、何かがあったときに考えずに行動を起こさせることです。例えば、「恐れ」という感情が生まれると、考える間もなく足に血液が集まり、逃げる体制が整います。私たちが生き延びるために感情があるのです。

 私たちは感情的になればなるほど、物事を考える力が失われます。そんなとき、感情をコントロールし、物事を有効的に、建設的に考える力が必要です。感情にコントロールされずに、良い反応ができる。そうすれば、良い結果が得られるはずです。感情的になってはいけないわけではありません。「何をすべきか」を考えられるようにするのです。感情調整のテクニックはいくつかあります。今日はその中の一つをご紹介しましょう。

 過去に自分が感情的になった状況を分析する方法です。多くの方が手を焼くのが「怒り」の感情です。ここではご自身が怒りでコントロールできなくなり、あとで後悔した(反省した)状況を思い起こしてください。できるだけ詳しく、客観的に状況を思い出してみましょう(できれば記述してみましょう)。

 感情が起こるには理由があります。怒りの感情は「重要なゴールを邪魔されたとき」に起こります。あなたにとって「そのときの『ゴール』は何だったのでしょう?」「どうしてそのゴールは、あなたにとってそんなに重要なのでしょう?」。これらを考えることがヒントとなります。「ゴールがあること」「怒ったこと」は悪いことではありません。自分が大切にしているものが成し遂げられなかったことを、あなたは怒っているのですから。

 では、何をすれば、もう少し有効的に、建設的になったでしょう?そのときの適切な言動とはどのようなものだったでしょう?次に同じような状況が起こったとき、どうすればよいでしょう?すでに、ご自身の中に答えがあるのではないでしょうか?過去のこうした経験を分析することで、あなたご自身の自己理解を深めることができます。

 たった一度の人生を、私たちは練習もなしに生きています。二度目の人生を生きるように、大切に生きたいものです。


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★コラムと関連する研修紹介

感情調整による適応力強化
研修日程等詳細はコチラ↓↓↓
https://www.kobelco-hrd.com/coursedetailbiz2023.php?23023