講師コラム
「危険体験・体感教育」の意義を改めて考える(講師 井手中 健司)2023/04/05
~KBP講師が人事担当者様・ビジネスパーソンの方々へ役立つヒントをお伝えします~
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労働現場における設備や環境、作業方法の改善は、労働災害の減少に繋がりました。しかし、一方で、数十年前のように労働災害が多発していた状況では、災害は決して他人事ではない深刻な出来事として認識していましたが、災害発生件数の減少に伴い、災害に直面するという経験自体が稀なこととなっています。また、それが労働者の危険に対する感受性の低下を助長している、ということも指摘されています。
それに加えて、作業環境や設備の安全化の進展に伴い、危険要因が潜伏化してしまい、「職場で働く人にとって、何が危険なのか、どのようなことをすると危険なのか、が分かりにくくなってきている」というお客様の声も多数いただいています。
危険体験・体感教育とは、職場に存在する危険を具体的に示し、身近な危険を直感的に理解させるものであり、座学における主に知識等を与えるための教育とは違い、観念としてではなく、経験として安全衛生を学ぶことであり、それを通して作業現場における労働者の経験不足を補い、個人の安全意識の向上に寄与しようとするものです。
危険体験・体感教育の目的は、職場に存在する様々な危険を具体的に示し、「見て・聞いて・感じる」という人間の基本的な働きを通じて直感的な理解を促し、危険感受性を高めることにあります。教室の中で、教科書を使って学ぶのではなく、経験・体験として学ぶ「体験・体感教育」が、この中心的な柱となります。
単なる知識としてではなく経験・体験を通じて学ぶことによって、経験不足を補い、安全意識の向上を図るとともに、安全技能の伝承にも効果を発揮すると期待されます。
私たちは、これらを実現するため、体験者の想像力を刺激し自発的な「気づき」を促すとともに、効果的で実践的な災害防止対策へと体験者を導くための教育を行っております。
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★コラムと関連する研修紹介
危険体験・体感教育
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https://www.kobelco-hrd.com/coursedetailtech2023.php?23296