● Research のための budget の追加
(1)Research に専念するために、代わりの非常勤を雇ってもらう
── 契約には、さらに細かい条件が入ることもあるんですか?
■ マツモト先生 Budget を予算化する際に、まだ別枠があります。研究に専念するために、自分は講義をやらないで、大学に代わりの非常勤を雇ってもらう場合もあります。── それで、マツモト先生は、現在、正規の教授職にありながら、講義をやっていないわけですね。
■ マツモト先生 そうです。予算のなかに大学が非常勤を雇う費用も入っているからです。通常、私が1セメスターに3コマの講義をもつことになっているとします。大学が私の給与より安い非常勤を雇ったときには、当然ながら「差額」が生じます。この「差額」も大学の profit になります。
── 大学としては、この額と、前述の53%をプラスしたものが全部残るわけですね。
■ マツモト先生 だから大学としてはすごいビッグビジネスになる。日本の大学ではやってないでしょう。(2)研究による新知識・新技術をコマーシャライズする
── そのほかには?
■ マツモト先生 追加の枠組みもあります。先生方の研究によって新しい knowledge や technique が出てきます。それらを commercialize すれば、お金になります。── 新しい knowledge や technique を commercialize する費用まで関係してくるわけですね。
■ マツモト先生 最近は、普通の大学では、先生との間の契約には、こんな内容の条項を入れていることもあります。「あなたの研究の結果、お金になるような知識などがあれば、それもあなたのものではなく、すべて大学に所属する」。