●「アブリーゴ」(隠れ家)の建設

■ 金井教授 「花小宿」の次が、コンドミニアムですか。
■ 金井社長 「アブリーゴ」という名前で、2000年に開業しました。「アブリーゴ」は、ポルトガル語で「隠れ家」という意味です。有馬の温泉街の中心にある5階建てのビルの3階以上を使っています。「御所坊」や「花小宿」と違って、都会的な雰囲気にしています。和室、ツインルーム2室、ダブル1室、リビングルーム、テラスを、すべて一組のお客様にお貸しするシステムです。

 

 

● オーベルジュ「花郷里」

■ 金井教授 さらに最近の展開ですと、順番からいうとオーベルジュ「花郷里」ですね。
■ 金井社長 平成の市町村大合併で合併することになる大阪府下の町から、所有している保養所を引き取ってくれないか、という話があり、2003年にオーベルジュ「花郷里」ができました。
 農業法人を経営していて、地元との付き合いがあり、信用も多少はできていましたので、そんな話が舞い込んできたのだと思います。
 その保養所の土地は農家が持っていますので、農業で交流のできる施設にできないかと考えました。鉄筋の建物ですから、改造が比較的難しかったので、ツリーハウスをつくったり、池をつくったりしました。
 そのころ、バリ島の棚田に凝っていました。アヒルが泳ぐ棚田をつくって、その水面とお風呂の水面を同じ高さにして、棚田のなかにある風呂をつくりました。和室ですと布団敷く必要がありますので、ベッドにするため部屋を改装して、付加価値に暖炉をつくりました。
 いまでも手を加えたい部分はあります。大きな施設はそれなりのお金がかかりますし、有馬から遠い兵庫県加美町にあって、集客の課題も抱えていますので、まだ完全にはできていません。