■金井教授: 皆さんこんにちは。日本企業の競争力を向上させることを目的として、ハーバード大学のマイケル・ポーター教授に由来した「ポーター賞」が、2001年に創設されました。その表彰式でマイケル・ポーターが、ジャック・ウェルチを前にして、“You are not a great strategist”(あなたは偉大なレベルの戦略家ではない)、“But a great motivator”(しかし、人を動かすのは非常に上手い)と言い、ジャック・ウェルチは否定しなかったという話があります。
 今日は、八木さんに「ジャック・ウェルチがなさったこと」、「ジェフリー・イメルトに交代して今起こっていること」、「八木さんはビジネスパートナーとして、どのような形で人事本部長をなさっておられるか」という点でお話いただきます。
 根底では日本企業と共通したところもあるし、やはり違っていても、学ぶべき点があるかと思います。
 また、優れた戦略のポジショニングだけではなく、それをきちんと実現するための組織や、人事の仕組みが持っている組織能力、戦略と人事、人の育て方に結びつけることが大切なので、その点についても学べたらと思っています。早速ですが、八木さんよろしくお願いいたします。

■八木氏: 私は1999年にGEに入社しました。それ以前は日本鋼管(現:JFEスチール株式会社)で18年半、人事を経験していました。 GEに入社してから12年になりますが、その間、ヘルスケアの日本担当人事を皮切りに、ヘルスケア・アジア、コンシューマーファイナンス・アジアで主に人事を担当し、今現在はGE Japanの人事責任者をしております。本日は、
・「GE Outlook(概要)」
・「GEの目指すもの」
・「GEリーダーとその育成」
・「HRの役割」
・「グローバルに通用するリーダー」という順で、私の考えをお話いたします。