結果を引き出すマネジメント
イメルトは、年の初めに1株当たりどれくらいの利益を出すか明言します。今年(2010年)は、1株当たり1ドルの利益を出すと公表しました。きっと彼は、今のGEの実力だと1株あたり85セントくらいの利益が出せるという感覚があるのでしょう。それを、自分たちのポテンシャルはもっとあるはずだから、ストレッチ(潜在力の活用)をすれば、1ドル出せると考え、リーダーたちにコミットを求めるのです。人間は、易しい課題ばかりを与えていては、差がつかないし伸びもしない。本当に実現可能かという、ぎりぎりのレベルの課題を与えると、期待以上のアウトプットを出してくる人が出てくるし、人によって差もついてくる。ストレッチというのは、そういうものです。
最高の結果を出すために一番大事なのは、自分の部下を最高の状態に置いておくことです。つまり、その人がいつもストレッチした状態で、最高のパフォーマンスを出せるようにしておき、結果を出す人材を、より責任あるポストに配置する。
何度コーチングしても変わらない部下がいれば、自分に跳ね返ってくるし、組織の目標を達成できなくなる。だから、できるだけベストなチームをつくり、できない人に対してはコーチしたり、入れ替えたりしていかないと、コミットした結果を達成できないんです。
最高の人材を配置して、任せて、自立させて「エンパワー」する。できるだけ一人当たりの範囲(スパン)を広くして、組織はできる限りフラットにする。
それらを徹底してやっていくと、無駄なく結果を出すことのできる組織をつくることができます。
