● GEの目指すもの
GEの戦略は非常に明確です。ジェフリー・イメルトは、2001年9月7日にGEのCEOに就任以来、豊かなキャッシュ・フローと、競争優位を持ったポートフォリオの維持に重点を置いてきました。リーマンショックなどの影響もあり、非常に厳しい状況ではありますが、常に一貫して「既存ビジネスの成長すなわちオーガニック・グロース」と「利益の伸び」を目標としてメッセージを出しております。
GEでは、「勝ち」の定義をはっきりさせており、それを“8”“10”“20”という、数字で表しています。具体的に言いますと、「GDP成長率比2-3倍の内部成長率(8%)」、「利益10%成長」、「利益率20%」という財務目標です。
2008年までは、こういった目標をほぼ達成していました。成長率は9%、当期純利益の伸び率が約11~12%増、利益率は約19%でした。
日本を代表するような会社が予算未達のときに、経営者があまり恥ずかしそうにしていない報道をテレビなどで見ますと、残念な思いをします。GEではコミットしたことを結果として出せないことは、非常に恥ずかしいことなんです。だから勝ちをはっきり定義して必ず達成させる。
GE社員の30万人が、全員同じ方向を向いて行動したら戦略が完璧でなかったとしても勝つことができます。勝ちの定義がはっきりしていて、全員の力を集中投入することがパワーです。
GEではビジネスの成長をプロセスであると考えています。すなわち
①お客様フォーカス
②イノベーション
③テクノロジー
④コマーシャル・エクセレンス
⑤グローバル化
⑥強いリーダーの存在 です。
お客様は常に新しいものを求めている。それらを提供するためにイノベーションが欠かせない。イノベーティブなアイディアが出てきたら、それを形にするテクノロジーが必要になる。つぎにそれらを世界中に展開していくためのコマーシャル・エクセレンス。そのプロセスを可能にする強いリーダーの存在。この6つのファクターを回し進化させていくことを、プロセスとしての成長と考えているのです。
