● GEリーダーに求められること
ジャック・ウェルチが出した、“Energy”、“Energize”、“Edge”、“Execution”という、共通したリーダーシップバリューがあります。要は「情熱を持って、周囲を元気づけ、難しい決断を下し、結果につながる一貫した実行力」です。ジェフリー・イメルトになってもそのスピリットは生きていますが、さらにイメルトは全世界の従業員に共通して求められる価値観・行動規範として、「GEグロースバリュー」を打ち出しました。「外部志向」「明確でわかりやすい思考」「想像力」「包容力・巻き込む力」「専門性」の5 項目です。
「GEは良い会社で、自分たちは最高だと思っているだろう。それではまだ駄目だ。もっとExternal focus(外に目を向ける)になろう。もっと戦略的に物を考えよう。もっと新しいものを出そう、もっとみんなと一緒に仕事をして、もっと自分の専門性を持とう。そしてグローバルに成功しよう」というのが、イメルトの、現在のGEリーダーに対する期待です。
DNA
GEで一般的なリーダーは、実行力を基本に、リーダーシップバリュー、インテグリティを持っています。また彼らは変革のリーダーであり、経営に関する基礎知識と、ある程度のインテリジェンスを持ち合わせています。リーダーシップバリューとは、いまではGEリーダーのDNAとなったバリューで、好奇心、パッション、リソースのフル活用、言行一致、チームワーク、コミットメント、オープン、エネジャイズのことです。イメルトは、GEをより成長する会社にするために、ロールモデルとなるようなリーダーを分析して、彼らが一般的なGEのリーダーに比べてどこが優れているのかを調べました。そこで分かったことは、ロールモデルと普通のリーダーでは、「問題解決」の力量に違いがあるということです。文句を言うということは、何か問題があると分かっているということです。GEのリーダーは、問題が分かっていたら、それを解決しにいく。文句を口にするのはGEのリーダーではないのです。問題解決のためには、勇気を持つことと、人を巻き込んでいくことが必要です。もちろん、「戦略思考」も必要で、何かを成し遂げるための「不屈(tenacious)」の精神を持っている。こういう要素を持っているリーダーたちが、成長をけん引しているロールモデルだと分かったのです。
イメルトは、こういった「発見」をベースに、External Focus, Clear thinker, Imagination and courage, Inclusiveness, Expertise からなるGrowth Valueという行動規範をつくり、社員に成長をドライブするリーダーになることを求めています。

