最高のパフォーマンスを出すために
さきほど金井先生が、ジャック・ウェルチはモチベーターだとおっしゃいました。昔、たまたまジャック・ウェルチとジェフリー・イメルト両氏が揃って出席していた研修に参加したことがありました。そこで我々は、「ジャックが20世紀最高のリーダーと言われているのは何故か?」という質問をしたんです。ジャックは、はっきりと「It’s all about people.(人だ)」、そして、「Be sticky.(粘り強くやれ)」と言いました。“sticky”はあまり上品な英語ではありませんが、スーパーパワーを持っていると思っていたジャック・ウェルチが粘り強くやることが高いパフォーマンスの秘訣といったことに我々は強い印象を受けました。
オペレーションはエクセレントに、そして事業、特にファイナンスはDiscipline(規律)を持つことがGEの高い業績のバックグラウンドになっています。それを支えているのが「優秀な人材とチーム」です。
GEは3年先を見てGrowth Playbook(成長戦略)をつくります。それをベースに、翌年の計画を立て、1st quarter 、2nd quarter、3rd quarter、4th quarter(第1~第4四半期)のコミットメントを達成すべく、毎月厳しく業績レビューをしていきます。世界中いろいろな国で、いろいろなビジネスがありますが、どこでもこのようなオペレーション・メカニズムを持っています。「1st quarterではどれくらい達成するか」、「どこまでできたか」、「どこに好機があるか」、「どれくらいリスクがあるか」、「それを達成するためには何をやるか」といった質問をしていくのです。また、GEでは「時間軸」がはっきりしていて、課題が難しいからといって、先延ばしは許されません。状況把握が6~7割の状態であっても、タイミングがくれば、そこで方向を決め、前に進むのです。こういったDisciplineがコミットしたことをデリバーする秘訣です。