活力を生む環境作り
どのような形で社員を会社の戦略的動きに巻き込んでいるか、また、社員の会社へのコミットメントを高め、やる気を引き出すためにどのようなことをしているかをいくつか紹介しましょう。我々のEngagement(社員の会社へのかかわり、やる気)活動は、「参加」「絆」「自立」「目を外へ」の4つの視点でやってきました。
参加
我々は毎年、年の初めにJapan Leadership Summit(リーダーたちのサミット)というイベントを実施しています。去年までは会社内で250人ぐらいをface to faceで集めて実施していましたが、今年は女性のキャリアを支援する「ウーマンズネットワーク(WN)」というグループにイベントのプランニングを任せ、支社をネットワークする形で実施しました。WNのメンバーのEngagementも上がり、支社の人たちの会社の理解度もずっと良くなりました。社員の健康促進を図る「Health Ahead」という取組みでは、アテネオリンピック800m自由型金メダリストの柴田愛さんに来ていただいて水泳教室の傍ら、努力の大切さについて語ってもらいました。また社員100人と何人ものリーダーたちで高尾山に登って、普段接することのない社員の間のネットワーク向上を図りました。
絆
マーケティングの手法を使ってEmployment value position(社員が大切に思っている価値)を見つけ出しました。社員をいくつかのセグメントに分けて、各セグメントにいる社員が、なぜ GEで働き、GEの中で活性化しているのか、などについて分析しました。そして、さらにこの会社を社員にとってもっと面白い会社にするにはどうしたらいいかについて議論をし、アクションを起こしています。自立
キャリアに対してのメッセージは、とにかく「自立」することです。そのことを社員の皆さんに理解してもらうため、Career Monthという月間運動を行って、自由参加形式のキャリアアドバイスを実施しています。“Control your own destiny”という、ジャック・ウェルチの言葉があります。自分の運命は自分で切り開くんだ、そうでなかったら他の人にコントロールされてしまう、という意味ですが、キャリアだけではなく、仕事でも何でも、自分でコントロールしなかったら、誰かにやられちゃうよというメッセージを送っています。目を外へ
現在、21世紀のリーダーシップはどうあるべきか、GE全体で取り組んでいます。特にリーマンショック以降の21世紀は、どこに向いていくべきなのか、 GEは今のこのままでいいのかをトップクラスのリーダーたちを集めて検討しているところです。その一環として、我々は日本の会社をベンチマークしています。関西ではパナソニックさんに行きました。若いリーダーたちを連れて行き、議論を通してパナソニックさんのいいところ、 GEに欠けているところを学びました。パナソニックさんは素晴らしいビジョンを持って会社を運営されていて、社員の皆さんは自分の会社を誇りに思っておられる。我々はgrowthとnet incomeにフォーカスしていて素晴らしい結果を出しているが、GEとして明確に文章化したビジョンはありませんでした。日本からGEとしてしっかりしたビジョンを持つべきじゃないかと提言しました。
外に目を向け、外から学ぶという目的で、他社の社長、アスリート、大学教授と様々なバックグラウンドの方々に来ていただいています。
